第7章 turth
<ニノサイド>
「大野さん、あまりビールが進んでないようですけど?」
「そんなことないよ」
慌ててビールを口に運んだ。
「今日翔さんと何かありました?」
いきなり本題を突きつけた。
「っ⁉ゴホッ!」
「大丈夫ですか?」
咳き込んだ大野さんはビールの缶をテーブルに置くとまぁ君の前で土下座した。
「ごめん!相葉ちゃん!
俺、翔くんにキスしちゃった」
「「は?」」
やっぱり潤くんが言ってたこと本当だったんだ。
しかも未遂じゃなくしてたなんて。
「ほんとごめん!相葉ちゃんに言われたから翔くんのこと観察しようと思って早く楽屋に行ったの
そしたら翔くんがもう居て仕事してたんだ…
一人で早くから仕事してる翔くん見て、翔くんの為に何かしたいと思った…
で、翔くんに聞いたら膝枕がいいって言うからしてあげてたんだけど、翔くん凄く可愛くて…
気が付いたらキスしちゃってた…」
普段口数の少ない大野さんが一気にまくし立てた。
珍しい光景、相当焦ってるんだろう。
「まぁ、随分と手の早いこと
大野さんも自分に素直なんですね」
「だって、ほんとに翔くん可愛かったんだよ…」
「気づくのが遅いんですよ」
「そうだよね…相葉ちゃんが先に好きになったのに…」
大野さんの顔が暗く沈む。
「あぁ、その件でしたら大丈夫です
相葉さんが好きなのは翔さんではないので」
「へっ?」
大野さんが目を丸くして驚いた。
「とりあえず、椅子に座ってください」
大野さんは表情を変えず椅子に座った。
「…どういうこと?」
「大野さんの気持ちを確認したくて相葉さんに嘘をついてもらいました」
「なんでそんなこと」