第1章 Two
「でも、智くんをけしかけてることが俺にバレたら止められるのもわかってるからバレないようにするの大変だったろうな」
「あいつの場合、俺をからかって楽しんでるようにも見えたけど?」
「まぁ、そこは否定できないけどね。
でもまさか智くんが自分の気持ちに気づいてるなんて思ってなかったから
今日の撮影の時は焦ったよ
いきなり肩にキスするし…唇もだけど…
どうしたらいいのかわからなかった
でも、一生の思い出になるなって思ったよ」
赤く頬を染める翔くん、キスのこと思い出した?
「肩にキスしたのも、唇にキスしたのも嫉妬だよ
松潤と相葉ちゃんに嫉妬したの
翔くんの言う通り、本能のままに動くんだな、俺」
苦笑するしかない。
「だからもう止められないからね⁉
これからは俺だけの翔くんでいて?
翔くんを好きだって分かってから気持ち抑えるの大変だったんだから
もう我慢しないから、覚悟してよ?」
翔くんの両手を握り、瞳を見つめる。
見つめ返す翔くんの瞳からはまた涙が零れた。
「しょうがないな~。
智くんが言い出したら何言っても聞かないのよーく知ってるもん」
そう言いながらはにかむ翔くんを思いっきり抱きしめた。
「ありがとう翔くん」
耳元で囁く。
「片思いのままでいいと思ってたけど、やっぱり嬉しいな
こうやって触れていられるの」
「これからはいくらでも触ってあげるよ」
「言い方、やらしいな。ふふっ」
顔を見合わせて笑う。
「…好きだよ。智くん…」
やっと翔くんの口から聞けた言葉。
一瞬で躰中を血が駆け巡る…
たった2文字の言葉がこんなに嬉しいなんて…
真っ赤に染まる翔くんの頬に手を添えた。
瞳を閉じる翔くんに何度も何度もキスをする。
翔くん、長い間片思いさせてごめんね。
これからは永遠の時を二人で刻んでいこうね。
Fin