第5章 Don't you get it!
「ん~、よくわかんねぇけど、思ったことをしていいってこと?」
「そうですね、あぁ、無理矢理襲うのは無しですよ?」
「そんぐらい人としてわかるわ!」
怒ってそう言うけど
「その割りには結構際どいことしてるぞ?」
潤くんが突っ込んだ。
そりゃそうだよ、裸で抱きしめるって…
下手すりゃ逆効果だって。
「そうなのか?」
わかってない大野さん。
我々も翔さんが大野さんをどう思ってるかは読めなかったし、て言うか本人もおそらくそこまで意識してはなかっただろう。
まぁ、特別な存在だとは思ってたけど。
だから大野さんを応援する気になったんだ。
「リーダーちょっと待ってて」
潤くんが立ち上がり部屋を出た。
再び戻って来た潤くんが手に持ってるものをテーブルに置く。
「はい、プレゼント」
「なにこれ?」
「愛し合う恋人たちの必需品!」
「見ればわかるって、なんでこれ?」
「持ってないでしょ?
今日使えってことじゃないよ?念のため
いざって時にないと困るし、翔くんに負担が掛かるから」
「……」
大野さんはテーブルに置かれたものをじっと見ている。
「大野さん?持ってても損はないから
翔さん大切なんでしょ?
傷つけたくないでしょ?」
「…うん」
「はい、どうぞ」
俺は手に取って大野さんの手に持たせた。
「…色々ありがと」
大野さんがボソッと呟いた。
「「どういたしまして」」
俺と潤くんは笑顔で答えた。
「そろそろ翔くん起こしてあげたら?」
「うん…」
大野さんが部屋を出ていった。