第15章 解かれた封印と心
※このページより、書き方を変えております。
『』→夢主
「」→その他
ご了承下さい。
『…私は…私にはわかりません』
そうして再び下を向いた。
「…まぁ、なんにしても封印が解かれているかどうかは、どうやってわかるんだ?」
『元の世界に戻って確認するしか…』
"その必要はあらへんよ"
その声に紫水は反応し、ジャーファルの手を離して構えた瞬間
「残念。コッチや」
後ろからの声に振り向くと突然、視界が際切られる。真っ白と真っ黒。それだけが目に入ってきた。それが紫水には誰で、何をされてるかもわかっている。
だが、他の二人は見知らぬ人物に各々の武器を構えジャーファルの眷属器によって片腕を拘束した。
別室にいた八人将もマスルールの嗅覚ですぐに異変に気付き集まってきた。
「王よ!何事ですか!?」
「なんや、ぎょうさん居はるな。そん中でも、君。一番怖い顔やね」
狐目が薄く開き、ジャーファルを見た。
「今すぐにその手を離しなさい」
「…無理やね。よう見てみ」
よく見ると、紫水の腕は突然現れた彼の背中にまわっている。
『…ギン?ま…さか…みんなっ!』
「大丈夫や。皆は無事やさかい、安心し」
『…っ…よ、よかったぁ』
この場にいた全員が初めて、こんなに人に頼り泣いている紫水を見たのであった。それまで強がりか意地か、周りには弱音を吐こうとしなかったのが、この『ギン』と呼ばれる青年に吐露している。