第14章 高揚と拒否
夜になり焼き魚を食べながら、これからのことを話した。
「とりあえず、夜は危険ですから帰るのは明日にしましょう」
『確かに、陸に限らず海も危険ですからね』
【なぁ、主。ジャーファルを送ったら、一端あっちに戻るんだろ?】
「そうね。一度帰って封印が本当に解けてしまったのか確認しなくちゃ」
これだけ異変が起きているんだなら、確実だろうけど…
『スミマセン。先ほどから気になっていたのですが、"封印"とは何のことですか?』
「えっと、話がかなりややこしいんです。なので、シンドリアに帰ってから説明でもいいですか?もう、私だけの問題ではなくなってしまったので…」
『…わかりました。では、これだけは教えて下さい。貴女達は、我々の味方ですか?』
「もちろん。これから戦わなければならない相手は…敵…です。手加減も見逃しもしてはいけない」
そう、敵だ。彼は私の敵。世界の敵。
全てわかっていた事。なのに、また会えると思うと何故だろう。
こんなにも胸を締め付けていたモノが、なくなったような気がするのか。
やはり、"血"は同じという事なのだろう。会いたいという高揚感と会いたくない拒否反応が入り交じった気持ち。