第10章 能力と目覚め
ジャーファル視点
『………………はぁ!!??』
「だから…息をf…」
『どこからッ!!??』
「口から」
『………くッ………』
口から息を吹き込んだと言う事は…
くッ……くくく……口づけをしたんですか!?
「人工呼吸だから…シンドバットさんみたいにやましい気持ちはありませんので、ご心配なく」
じんこう……こきゅう?
『何ですか?それは…』
「えッ!?まさか…この世界には、蘇生法とかないの!?」
『死にそうになった時の?』
「そうですよ。私の世界では、溺れた時とかに使うけど?」
『私…そんなに危険だったんですか?』
「まぁまぁ、危険だったかな?」
そんな微妙な…
『とッ…とりあえず、お礼は言っておきます』
「いいえ♪そんな、口づけのお礼なんて(笑)」
『そっちじゃない!!』
───
「ところで、聞きますけど…何で、飛び込んだんですか?」
そうでした。
『それが…あの女性を見てから、身体がいうことをきかなくなりました。自由になったのは、海に落ちてから…』
「ふ~ん、どんな人だったの?」
『髪の毛は、青くて…』
「その人、なんて言ってたの?」
『え?』
「だって、"今から行きます"とか言ってたでしょ?」
そんな事、言いましたっけ?
「覚えてない?」
『そんな事言ってました?』
「言ってた。自殺するつもりかと思ったよ」
『あの時…なんだか、嵐の音さえ聞こえないくらい静かで…操られてるように、歩いていたのは覚えていますが…』
私としては、ただ歩いてるだけだったのですが…