第5章 監視とうわ言
ジャーファル視点
"…一人に…しなぃで……"
その言葉を聞いた時、彼女の目には涙が流れていました。
誰に懇願しているのか、わからない。しかし、一人にしてはいけない気がして…
優しく頭を撫でてあげると、うわ言も少しずつ落ち着きました。
見た目は、10代といったところでしょうか。
そんな彼女は、突然現れ南海生物を容易く倒し…
マスルールの追撃から逃れました。
戦闘に関して最強と言われた、ファナリスのスピードから逃げるなど…並大抵のことではありません。
長い黒髪はしなやかで、夜を映したように美しい。
閉じられている瞳は、太陽のような金色で…見透かされてるような錯覚さえ感じます。
幼く感じられる出で立ちですが…言動などは、それに似つかわしくない。
まるで、私より長く生きてるような…
それに、謝肉祭でのあの話…
"それで死ねるなら…"
まるで、死ぬことが出来ないような口振りでした。
シンのことも、何かわかってるようですし…
一体、何者なんでしょうか…