第4章 疑問と不安
「ねぇ…やっぱり着替えていい?」
ピス&ヤム『『ダメ!!』』
「はぁ、」
あの後、化粧までされて皆のところに案内されている。
もはや…連行だろ。
大した身体でもないのに、見てもつまらないだろうに…
だって、今さら告白するけど胸なんてCカップ。乱菊やそこのヤムくらいあれば見てて、楽しいのになぁ…
なんて、セクハラ紛いの考えをしてしまった。
ヤバい…王様のこと言えないよ。
『ねぇ、紫水ちゃんの好きな人ってどんな感じの人なの?』
「好きな人じゃない」
『違うの?』
「私のせいで…」
『え?』
「傷ついてしまった人」
"あの時"のことを思い出して、泣きそうになった。
でも、泣かないよ。"あの時"いっぱい泣いたから…
でも、今だに引き摺ってるのも確か。
いつから、こんなに弱くなっちゃったんだろうか。
『どうして、そう思うの?』
「私は、人間じゃない。罪を背負って生きていかなきゃならないモノだから」
そう言って登っていた階段を一人、足早に上がった。
実際は、それ以上話したくないから…
聞かないで…
人間に、弱い自分を見せてはいけない。"あの人"とは、違う。
私は、運命を変えるために来た。
自分の事は、二の次。
もう失敗はしたくないから…
───
ヤムライハ視点
ピス『ねぇ、ヤム?』
ヤム『何?』
ピス『紫水ちゃん、どうしてあんなに悲しい顔して笑うのかな…』
そう…人に弱味を見せないような、作り笑い。
誰にも関わらないような、あの態度…
あの子の聞かれたくないことに、きっと触れてしまった。
でも、人間じゃないって?
マゴイは、普通の人間よりはある。そんなに特別と言うほどじゃない。
なのに…