第6章 .笑っちゃうよね?
「そろそろ時間よ!全員、準備はいいわね!!」
「IHに行けるのは4校中3校!
小金井君も言ってたけど、一見難しくなさそうに見えるわ。
……けど、」
「え、なに?」
フライさんはイキナリ両腕を拘束され、
「てい!」
「どわはっ」
リコセンパイにハリセンで殴られた。
「リーグ戦だから1敗までは大丈夫とか、少しでも考えたらお終いよ!」
「なんで俺がっ」
(フライさん……ドントマインド)
リコセンパイは続けて言った
「大事なのは今!
この試合…絶対勝つ!!!!」
「誠凛……ファイっ」
「「「「「おおおおぉぉ!!」」」」」
(センパイ…カッコイイ!!)
掛け声を済ませたところで、みんなは控え室から出てコートへ向かう。
「あ、センパイ。アタシそろそろ上行っときますね」
ホントは練習時間もみんなを近くで見ていたいけど、初めてコートに入るアタシの存在でみんなの集中力を欠くコトになるのも嫌なので早めに観客席に行くコトにした。
「え?何言ってるのよ。ひかりちゃんもベンチに入るのよ」
「え!?で、でもアタシは入ったばかりで、ベンチに入っても皆さんにアドバイスはできません。邪魔になるだけです」
「そんな事ないわ。あなたも揃って誠凛バスケ部なのに、そんな事言わないで」
(ああ、アタシ今、ホントにバスケ部なんだ)
当たり前のコトだけど、今更そんなことを思った。
「センパイ……すみません。
アドバイス以外でみんなの力になれるコトなら、何だってします!
絶対に、勝ちましょうね!!」
「当たり前よ!」