第5章 .綺麗な花には刺がある
翌日の練習で、アタシはみんなに謝った。
みんなは気にしてないとは言ってくれたが、アタシは勝手に感情ぶちまけて雰囲気悪くするなんてマネージャー失格だと思っている。
その後、昨日渡せなかった差し入れを配って、アタシを保健室まで運んでくれた人にお礼を言おうとした、んだけど…
「ホントにすみません。重かったですよね…」
「いいのよ別に!
気にしないで!!」
何故か運んでくれたのはリコセンパイだったという……
(てっきりバスケ部の男子の誰かが運んでくれたのかと思った……)
「ところでなんで倒れてたの?
いきなり叫び声が聞こえたからびっくりしたわよ」
「え、ああー…誰にも言いませんか?」
「え!?言わないわよ!」
リコセンパイは目を輝かせて言った。
(なんでそんなにキラキラしてるの…可愛いな)
「えー…っと、実はですね、アタシ、ぃ、ぃぬが怖いんです」
「へぇー!なあんだそんな事か!」
「そ、そんなコトって…アタシはホントにぃ、ぃぬがダメで……」
「大丈夫よひかりちゃん。
2号は咬まないし、大人しいから!
……でも火神君も犬、苦手なのよねぇ」
「大人しいとかそういう問題じゃ……え?火神もですか?……あの図体で?ふふ」
「そうよ!本当もうおかしいんだから!」
(だめだちょっと怖がる姿を想像してしまった……)