第1章 ☆
公園のベンチでふたりはプレゼントを交換した。
トランクスはクッキーを美味しいと言いながら嬉しそうに食べてくれた。
そして。
「これ、プレゼントなんだけど……」
なぜか申し訳なさそうに渡された小さな四角い箱。
中を開けると、そこには小さなクリスマスツリーが入っていた。
「可愛い!」
喜ぶユメの横でトランクスは恥ずかしそうに続ける。
「ごめん。実はプレゼント買いに行ってる時間がなくて、さっき来る途中で見つけたんだ」
「ううん! すごい嬉しいよ。ありがとう!」
そう笑顔で言うとトランクスはホっとしたようだ。
「明日は、大きなクリスマスツリーを見に行こう」
「え! 明日も逢えるの!?」
「あぁ。邪魔されたくないから明日までスマホの電源は切っておくつもり」
真っ黒な液晶画面を見せながら、トランクスは悪戯っ子のように笑った。
「いいのかなぁ……」
「いいんだ! 今までユメに逢いたいのを我慢してずっと仕事漬けだったんだから。クリスマスくらいずっと一緒にいてやる!」
言いながらユメをぎゅっと強く抱きしめた。
「好きだよ、ユメ。逢いたかった」
「うん。私も……」
ユメは幸せそうに笑ってトランクスの胸に顔を埋めた。
逢えなかった分、何度もキスをした。
そんな二人の上空から、チラチラと白い雪が舞い降りてきていた……。
Merry X’mas☆