第1章 ☆
「クリスマス、どこか行きたいとこある?」
そう聞かれたのは、11月の終わりころ。
彼は世界的に大きな会社の若社長。
そんな彼と迎える初めてのクリスマス。
年末なんて一番忙しいときに逢えるわけがないと思っていたから、そう聞いてくれただけでもとても嬉しかった。
ユメは「大きなクリスマスツリーがあるところ」と答えた。
先日テレビで各地の煌びやかで大きなツリーを特集していたからだ。
「クリスマスツリーかぁ。うん、わかった。今年はユメのために早く仕事終わらせるように頑張るよ」
そう言って彼……トランクスは、綺麗な青い瞳を細めて笑った。