第4章 ep Satori Teodo forValentine
ホテル前で立ち止まり後ろを向く。
少し離れたところにいた梢チャンは小走りでやってくる。
『どうしたんですか?天童さん…?』
俺は笑う。
「そんな呼び方でイイの?ご主人サマに向かって。」
ホテル街、あまり人の通らない道。
俺はさっき、下着の入っていた紙袋から取り出したスイッチを入れた。
『ひうっ!』
体をびくりと跳ねさせた梢チャン。
うん。ちゃんとナカに仕込んできたみたいだね。
『やっ…てんど…さ…』
「止めないよ?このまま部屋に行くから。」
ちゃんとついてきてね?
そう言えば、梢チャンは足を震わせながらこくり、と頷く。
それを見た俺は目の前のホテルへと足を踏み入れた。