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HQ商社、営業日誌。

第3章 ep Toru Oikawa




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「………川…、おい!クソ川!」

ごぢいいん!
不意に頭部に響く痛み。


「いっっったぁぁあい!何すんのさ!岩ちゃん!」

恨みを込めてそちらを見ればはあとため息をつく岩ちゃん。

「さっきから話聞いてねーからだべや。何回呼んだと思ってんだ。」

「だからって拳で来ることないじゃん!本当、ゴリラなんだから、岩ちゃんは!」

「でも今回はぼーっとしてた及川が悪い。」

「次どこ行くって言ってんのに聞いてないお前が悪いわ。」

一緒に飲んでたマッキーとまっつんにもそう言われ、俺はふてくされたポーズをとる。

「ふんっ!いいもーん!次、俺行かないしー!」

「そうか。じゃあ俺たち3人で行ってくるわ。」

「じゃあなー。」


…もう、なんでそうなるのかな‼︎

席を立ち、会計に向かう3人の後を追うように追う。



会計をして外に出れば、むわりと残暑の熱気。

うだるような暑さにため息をつきつつ3人の後ろを歩けば、ふと通りの向こうに知った顔があった気がしてそちらを向く。






…やっぱり。

向こうの通りを歩いていたのは潔子ちゃん。


でも、隣にいるのは…



昔からそういうカンは働くんだ。


俺はそちらから目をそらし、前を歩く3人を追いかけるように夜の街に向かって歩き出した。


今見たことを忘れるように。



end
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