第4章 家という名の檻
次の日、
目が覚めた時にはバンはいなかった。
「はぁ…」
だるい体を起こして、朝ごはんを食べる。
また、味がしない。
バンの料理が味しないのかと考えたこともあるけど、バンに限ってそれはない。
幼い頃、一緒にご飯食べてたときは確かに味がしたもん。
「コホッ……コホッコホッ」
咳が止まらない。
ちょっと、熱もあるみたいだし…
今日は黙って寝てようかな。
薬も飲み終え、家を初めて出た日に買った本を開く。
騎士と女の子のラブストーリー。
すっかり、面白くて…
午前中のうちにすべて読み終えてしまった。
「ん~っ、面白かった」
彼氏が騎士だったら、守ってもらえて…
そばにいてくれるなんて…すごく幸せなことだと思う。
騎士……メリオダス。
いつの間にか、小説の中の騎士をメリオダスと置き換えてみていた。なにしてるんだ、私は。
もう会えないんだから、メリオダスのことは忘れよう。
でも…この続きはちょっと気になる。
バンに買ってきてもらおう。
それくらいは、いいよね??
本の中くらいは幸せになってもいいよね?