第4章 家という名の檻
「バン…」
「マジびっくりさせんなよな、帰ってきたらドアの前で血吐き出して倒れてんだも」
…あ、だから……私服着替えてるんだ。
バンが着替えさせてくれたのかな…。
「ごめんなさい…」
「たまたま早く帰ってきたからよかったけど、遅かったら危なかったかもな」
バンは立ち上がり私のベッドに腰掛ける。
私は、だるい体を起こす。
「ごめんね、バン…」
「ったく、無理はすんなって行ったろ。薬も飲んでねーだろ」
怒ってるわけではないけど、少し言い方がいつもよりもキツイ。
…自業自得だけど。
「ごめんなさい…」
「気をつけろよ?な?」
バンは、よしよしと私の頭を撫でる。
なんでかわからない…けれど、私の目からは涙が溢れた。
「あれ…おかしいな……グスッ…」
「おいおい、大丈夫かよ」
バンは親指で私の涙を拭う。
あぁ、優しいバンだ…。
私の好きなバンだ。