第4章 家という名の檻
私、知らなかったな。
私が知っているメリオダスはほんの一部で、
知っているようで知らなかった。
私は、なんだか…虚しくなった。
…いつの間にか私の目には、涙が溜まっていた。
「…あ、あのっ…わ、私帰りますっ」
その場にいるのが悪い気がして、
邪魔をしてはいけないって思った。
私は、走って走って家まで逃げてきた。
「ハァハァ…ゴホッ…」
咳が止まらない、、呼吸が整わない…
苦しい……バン………バン助けてっ……
私は、心の中でバンに助けを求めた。
そしていつの間にか意識を手放していた。
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「」
あれ?私の名前を呼ぶのは誰?
私がたっているのは花畑の真ん中。
そして、目の前には暗くシルエットになっている彼。
誰かは見えないけれど…私のことを呼んでいる。
「メリオダス?バン?」
「、早く来いよ」
声を聞けば分かるのに、
それでも誰かがわからない。
あなたは一体誰?
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「んんっ…」
あ、なんだ夢か…
あれ?私、ベッドの上にいる??
「起きたか」
声がする方を見るとバンが椅子に座っていた。