第5章 ‐4‐
「心の中がね、
いつも真っ黒でぐちゃぐちゃだった
どんなにもがいてあがいて、
笑顔を振りまいてもな、
...やっぱ、違うんだ
相手に笑顔を向けられたり、
優しくされると怖くなるんだ
俺、弱いのに。
守ってやれねぇのに...」
仲良くしたかった
詩乃みてぇに、家族をしたかった
だけど出来ないんだ
家族を失うのはもう勘弁なんだ
それに、な?
俺の中ではもう答えが出ていた。
「家を、出ようと思うんだ」
笑ってくれよ、
せめて明るく笑ってくれよ。
俺さ、もっと強くなりたいんだ。
めそめそ泣いてばかりじゃツライだけだろ?