第5章 ‐4‐
「なんで!?
一緒に居たって...っ、」
違うよお兄ちゃん。
一人になることが
いつだって強くなるわけじゃない
お兄ちゃんは十分もう強い。
「もっと優しくなって戻ってくる」
お兄ちゃんは、
いつも一人になることを選んだ。
隣にいても近くにいても。
いつだって一人になることを選んだ
それがお兄ちゃんを
苦しめていると気づかずに...。
「やだよぉ...お兄ちゃんっ、やだ!!!!
....お兄ちゃん居てこそ城宮家なのっ...
なに、一人暮らし? ....
...ふざけっ....な...!!」
「....詩乃...」
「今まで涼兄や剣くんやみちるくんや、
愛澄ちゃんだって、
お兄ちゃんを家族だって思ってる!
なのに卑怯だよ、自分だけ逃げちゃってさ
あそこだって優しくだって、
強くにだってなれる。」
小さなことだっていい
お兄ちゃんの中からトラウマを消せたなら。
家族になるのもずっと先じゃないと、
そう思えるんだ。