第5章 ‐4‐
『泣き顔も可愛いじゃーん』
『やべぇ、』
『お前キモすぎww
ねぇ、遊ぼうよー』
グイッと掴まれた手首が痛い。
通りすがる人達は誰も見て見ぬふり。
助けてよ、誰か....!!
「おいてめぇらなにしてんだよ」
とまた怖い声が...
そちらを見ると声の主は剣くんだった。
『け、剣さん...』
『うそマジ、この子、剣さんの....』
男の人たちは慌ててバタバタと逃げて行った。
同時に力が抜けてパタンと座り込んだ。
剣くんが来なきゃ今ごろ....、
「大丈夫かよ」
と優しい笑顔で頭を撫でてくれる。
「....怖かった...」
「悪かったな。アイツらあとでシメとくから」
頼もしいのやらなんなのやら....。
剣くんは隣に座って、
「俺さ、他の奴らより出来悪いしガラの悪いから
あんなのとばっか絡んでんだ
だから諄季が俺と詩乃を離したがるの
痛いぐらいに分かるんだよ」
悲しそうに言う剣くん。
お兄ちゃんは、そんなつもりじゃないと思う...