第5章 ‐4‐
お兄ちゃんの行きそうなとこ、
しらみつぶしに行ったけど、どこにも居ない。
こんな暗いのに....、早く見つけなきゃ。
「お兄ちゃんっ!!」
公園とか、ゲームセンターとか、カフェとか。
探し回ったけど居ない。
どこ、どこに....!?
『ひゅ〜、お嬢ちゃん可愛いね〜』
声のした方を向くとガラの悪い男の人たちが居た。
見た目からしてヤンキーで。
なんだか危なそうな人達だ。
『俺らと遊ばねぇ?
男ばっかで飽きてたとこだったんだよね』
『1人じゃ寂しいっしょ』
さ、寂しくはないけど!
でも怖さで声が出ない
お兄ちゃんが心配してたのってこういうの?
だったら私、1人で飛び出すんじゃなかった....
今ごろ後悔したって遅いのに。
目からはポロポロと涙が落ちてくる。