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城宮家と兄妹
第4章 ‐3‐
『詩乃!!』
『お、お兄ちゃん....痛いよっ!!』
ギュッと強く手首を掴まれる。
グイグイと引っ張られる。
またか、と思いつつも何度も離してと叫ぶ。
『アイツと居ちゃダメだよ!!』
『どーして?』
そう聞き返すと、お兄ちゃんはギュッと唇を噛み締める。
だめだ、理由なんか分かってるのに。
『うん...、ごめんね』
ただ、お兄ちゃんは怖いだけ。
失うものが大きかったせいで、こんなにも怯えてる。
もう何も失いたくないと。
『お兄ちゃん、絵本読んで!』
『うん!』
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