第2章 ‐1‐
「苦労してるのはこっちだぜ」
やれやれとため息を吐く徹平くん。
怜奈は変わらずクスクスわらってる。
「え、なんでよ」
「城宮の馬鹿に付き合ってやってるんだよ~」
誰が馬鹿だよ、失礼だな。
徹平くんはいつも私をバカにする。
すると愛澄ちゃんが肩をトントンと叩いてきた。
「しーちゃん、あのひと...」
「副担任の先生だよ、新しく来たんだって」
女子に囲まれてる先生。
愛澄ちゃんには見覚えのある人らしく、考え込んでいる。
「どっかで聞いたことあるんだよなあ」
「気のせいだよ、たぶん。」