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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第9章 「母さん」と呼ばない


結城side

「それって母さんは『千代』じゃなくて『実代』ってこと?」

「そうよ……今まで隠しててごめんなさい。」

「……なんだよ……それ……」

10年以上も嘘を?
そんなの……親としてどうなんだよ。

「今思えば俊には私以上に酷いことをしていたのね……何やってんだろ私……」

「本当にそうだよな……」

「っ……ごめんなさい。ほんとに悪いと思ってる。また俊と結城と3人で楽しく過ごしたいわ。けど、こんなんじゃ駄目よね。」

「……まだ、間に合うんじゃない?アンタを許した訳じゃない。でも、俊には必要な存在だから。だからさ、せめて、これからは母親としていてくれないかな?」

「結城……いいの?」

「うん。俊のためだし。頼むよ、『母さん』?」

「うん……ありがとう。」
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