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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第6章 我慢……


俊side

全然気づかなかった……
僕、泣いてる……

「やっぱ気づいてなかった?」

和也さんは僕の頭を撫でながら続けた。

「……本当は嫌だったんでしょ?」

その言葉に僕は思い返す。
和也さんに触れられた時、正直ドキドキして、気持ちよかった。
でも、心のどこかで嫌だ、駄目だって分かってた。
なのに僕は……
最低だ、僕……
兄ちゃん以外の人と……

「俊くん、結城のこと好き?」

「はい、もちろんです。」

「うん……結城もね君のこと大好きだよ?だからねずっと言ってるよ?『もう、俊以外は抱かない』って……俊くんの事が好きって知ってるのに女抱いたこと反省してた。」

和也さんは僕の目をしっかりと見つめ直す。

「だからさ、約束して欲しい。俊くんも結城以外の人から抱かれないで?」

和也さんの綺麗な暗い茶色の瞳を見ていると嫌だとは言えない。
だってこんなに真剣な目で言われたら……
和也さんは兄ちゃんにとってもいい関係だと思う。

「……はい……ごめんなさい、和也さん……」

「え?なんで俺?」

「いや、その……あんな事……」

すると和也さんは笑顔になり、

「いいよ。あと、俺じゃなくて結城に謝るだろ、普通。」

兄ちゃん……ごめんなさい。
僕、約束するよ?
だから僕も信じてもいいかな?

「じゃ、指切りげんまん♪あ、このことは結城に内緒ね?」

「?約束の事ですか?」

「うん……アイツいろいろめんどくせぇから(笑)」

「はい(笑)」

僕らは小指どうしを絡めて約束した。
これからは兄ちゃんが帰ってくるまで我慢!
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