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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第4章 僕だって


俊side

「うーん……」

今、兄ちゃんに算数を教えて貰っている。

「次はどこが分かんねぇんだ?」

「ここ。なんで答えが1なの……」

「あーこれな。ここで約分するだろ?そして……」

兄ちゃんは教え方がすごく上手い。
きっと、こんな問題も解けねぇのかって呆れてるんだろうな……
なんでこんなに兄ちゃんと違うんだろ……

「俊?分かったか?」

「え?!あ、うん!分かった!」

僕は練習問題を解き続けた。

「かなり解けるようになってきたんじゃねぇか?」

「うん!兄ちゃんのおかげだよ!」

「本当か?!良かったぁ!俊の役に立てて!」

兄ちゃんは僕に抱きついてきた。
兄ちゃんはたまに可愛い。
いつもはしっかりしてる感じでかっこいいなって思うけど、僕の前では結構甘えてくる。
猫みたいだ。

兄ちゃんは前髪をゴムで結んでいる。
いつもこうやって勉強してんのかな?
そう言えば勉強してる所見たことないかも。

「ん?どうした?」

「ううん。いつもその髪で勉強してんのかなって。」

「あぁこれか?まぁ、なんか気合的な?俊に教えるから気合い入れようかなって。」

「へぇ……その髪可愛い!」

「なっ可愛い!?俺が!?」

「うん!僕は好き!」

「お前の方が可愛いよ!あー俺の弟!」

「……そろそろ離れて……兄ちゃん……」

「……うん……」

僕は早く寝ようと机から立ち上がる。

「もう寝るのか?母さんそろそろ帰ってくるぞ?」

「……うん、寝る。」

正直、母さんには会いたくない。
母さんは僕に対してと兄ちゃんに対しての扱い方が明らかに違う。
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