第15章 おまけ♪
俊side
こっちに来て半年が経った……
兄ちゃんと母さんにはちゃんと毎日電話している。
テレビ電話。
これがあるからちゃんと顔も見れるし、全然寂しくない……ていうのは嘘で本当は会いたい。
左の薬指には和也さんがくれた指輪……
これ絶対高い。
しかもお揃いのだから、値段も2倍……
なんか申し訳ないな。
掃除、洗濯、買い物、料理……
家事も全部終わったし……やることない……暇だな……
和也さんは仕事だし……
今日も遅いのかな……
最近、ずっと仕事で帰ってくるのも遅い……
忙しいのは分かるけど……少しは構ってほしい……
……エッチだって……やってない。
ずっとお預け状態。
別に毎日じゃなくていいよ?
けど流石に……長すぎ……
帰ってきたらすぐに疲れて寝るから……シャツも洗濯しなきゃだし……
朝起きたらもう準備して出発する前……
一言ぐらい声かけて欲しい。
ピロン♪
あ……ビデオ電話……
兄ちゃんだ!
「俊。」
「兄ちゃん!」
「元気にしてるか?」
「うん、いつも通り元気だよ?……てか昨日も話したじゃん!」
「そうだったな(笑)……今日も和也は居ないのか?」
「あーうん。」
1番聞かれたくない言葉。
でも、そうだよね。
心配だよね。
胸が苦しくて、目頭が熱くなる。
「俊?どうした?」
「……な、何も!……ない……よ?」
「……あのな、俺はお前の兄ちゃんなんだぞ?その顔、何もねぇことないだろ。……画面越しでも分かるんだよ。……何があった。」
兄ちゃんにはやっぱり見抜かれてしまう。
「……あのね……会いたい……兄ちゃんに会いたい……(泣)」
涙が溢れ出る。
駄目だ、止まんない……
「和也となんかあったんだな……なんだ?」
これ……言ってもいいのかな……
でも和也さんは悪くない……
兄ちゃん、すぐ怒りそうだし。
でも……
「……最近、和也さんに構ってもらえなくて……帰ってきてもすぐに寝て……起きたらすぐ仕事に行くの。……仕事が忙しいのは分かるよ……働いてるのも僕のためだし……仕方ないと思う。」
すると、兄ちゃんは挨拶も言わずにビデオ電話を切ってしまった。
……怒っちゃったかな?