第14章 僕のお兄ちゃん
俊side
出発当日……
母さんと兄ちゃんは見送りに来てくれた。
兄ちゃんは必死に涙を堪えてるように見えた。
「兄ちゃん。」
僕は抱きつく。
「行ってくるね。ちゃんと帰ってくるから。安心して?」
「……おぅ……幸せになれよ?」
僕は兄ちゃんから離れ、和也さんの手を握る。
「じゃあね。」「またな。」
「あぁ、いってらっしゃい。」
兄ちゃんが優しいのは誰でも知ってる。
けど、本当の温もりや優しさを知ってるのは僕だけ。
僕だけが本当の兄ちゃんを知っているんだ。
これからも……そして、これから先も……
特別な関係……兄弟として、僕達は生きていくんだ。
~Fin~