第1章 "何もかもが"
しまった…!!
名前のことを考えてたらいつの間にか気配が増えている…!!
考え込むとどうも周りがよくわからなくなってしまう…。
自覚はしているんだけどなおる気がまったくしない。
「すまん。ところで、ボスはもう来てるのか?」
…これはさっきのジタンさんの声。
というかボス…?
もしかして悪いひとたちとかじゃないよな…?
「いんや、まだずらよ」
!?ずら!?
ま…まずい…ちょっと面白い。くくくく…
だって初めて…語尾がずらって…ふふふ
その時私の後ろで大きなものが転げ落ちる音がした。
笑ってた時に私の肘が当たったからだ。
先程までのおかしさは一瞬にして吹き飛んだ。緊張が走る。
捕まるのは覚悟してたつもりなんだけど…
やはりとても恐ろしい。だって人間だもの。
「ん?なんだ?」
やはり気づかれた。足音がゆっくりと近づいてくる。
一歩一歩…木の軋む音が大きくなってくる。
捕まっても死刑とかにはならないよな…?
泥棒とかじゃないし…!大丈夫!