第1章 "何もかもが"
扉が開く音と共に、少し高めの声が聞こえる。
足音と声からして...少年?
音だけで周りの状況を把握するというのはすごく難しいな。
火をつける音と同時に
その少年らしき人はうろうろと歩き始めた。
その様子だとまだ私の存在に気づいていないな。
もしかして今いる場所って結構安置だったりする?
「よっと...」
そうだといいなあ。見つからずに逃げ出せれば
「誰だっ!!!」
『(....!)』
もしかして見つかったか...?
でも今の声はさっきの人の声じゃあないな...?
まだ誰かいるって事なのか?
「オレだよ、ジタンだよ」
ジタン...?なんだか聞いたことのある名前だ。
うーん、ここまで出てるんだけど出てこない。
ジタン...ジタン...
「よぉ、ジタン!遅かったじゃねえか!」