• テキストサイズ

海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第5章 海が泣いている


お互いを守り合い、支え合う家族がいた。
「・・・っ」
沙羅の瞳から涙が溢れる。
家族のために強くなりたいと思うこと。
そう思う自分のために強くなりたいと思う家族がいること。
家族を守りたいと思うこと。
そう思う自分を、守りたいと思う家族がいること。
そんな人間が両親以外にいることを沙羅は初めて知った。
「沙羅・・・」
「・・・ッルコ!」
流れ落ちる涙を、手の平で優しく受け止めてくれるマルコの胸に沙羅は抱きついた。

西の彼方の海から聞こえ続ける苦しみに満ちた声。
痛い。
苦しい。
助けて。
死にたくない。

幼い頃から、ずっと一人で海の声を聞いていた。
聞きたい時も
聞きたくない時も。
でもこれからは一人ではないのだ。
そう思うと、この苦しみに満ちた声にも耐えられた。
『沙羅、おめぇは一人じゃねぇ』
耳元で囁くマルコの言葉を確認するように、沙羅は二度頷いた。

“おめぇは一人じゃねぇ”

その言葉は、近い未来、白ひげ海賊団を離れ、一人で生きることになる沙羅を再び救うことになるのだった。

それから、数日後、ウエストブルーにある島、オハラが消滅したらしいと彼等は知ることになる。
/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp