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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第4章 この想いはまだ一方通行


 気持ちを逸らそうと、マルコはサッチのニヤついた顔を思い浮かべ悪態をついた。

“人をおもちゃにしやがって”

どうせ扉の外で聞き耳を立てているに違いない。

“ただじゃすまさねぇ”

鋭くなった視線を扉に向けようとした時、マルコの耳にベッドが軋む音が届いた。
“?”
マルコは訝しげに視線を向けた。
「・・・ツっっ」
マルコの目が見開かれた。
横になっている自分を馬乗りに、乗り越えようとしている沙羅。
「沙羅?!!」
驚きのあまり大きな声で呼び止めれば、両腕と左足だけがマルコの体を跨いだ状態で動きを止めた沙羅

淡い色のふわりとしたスカートの裾から大きく開いた足が覗き、残された状態の右足の内股の柔肌が浮かび上がる。
前に出された両腕に身につけた上衣が吊られ、普段晒されることのない細い腰や、白い肌が顕わとなる。

“触れたい”

湧き上がる欲望。

触れたら、どんな反応を示すだろう。

その柔らかそうな肌に手を伸ばし、
撫であげたい。

まだ誰も知らないであろう白い肌に
触れ、
舌を這わしたい。

沙羅は泣くだろうか?
それとも、
啼くのだろうか?


「?」
自分の名を呼んでから、全く言葉を発しないマルコに沙羅は違和感を覚えた。
自分を見る目がいつもの優しいものではなく、心なしか鋭い。
「マルコ?」
恐る恐る声をかける沙羅。
きっと、体を無断で跨いだことを怒っているに違いない。
ベッドがぎりぎり二つ置ける狭い部屋だ。
当然二つのベッドはそれぞれが壁際にきっちりと寄せられ、後は中央に沙羅が立っていた通路があるのみ。
左側に寄せられたベッドにいるマルコの左肩を手当てするには、当然マルコを跨ぐしかない。
だから仕方ないと言えば仕方ないのだが。
やはり一言断るべきだっと後悔した沙羅。
名前を呼んでも全く反応のないマルコに、余程腹を立ているに違いないと思うと、何故か涙が滲んできた。
「ごめんなさい」
小さな声で謝れば、マルコは驚いた顔で沙羅を見た。
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