第2章 出会い
しゃら・・・シャラ・・・
水が流れるような不思議な音が聞こえていた。
それは耳元で聞こえているような、頭の中に直接響いてくるような不思議な音だった。
“・・・”
マルコは少しだけ意識を浮上させながらも、しかし、全身を覆う倦怠感に瞼すら動かすことができなかった。
“・・・?”
音に合わせて、腫れ上がった目や傷だらけの体を冷んやりとした柔らかい感触が流れていく。
“・・・う・・・み・・・?”
ほんの微かに上げられた瞼の隙間から、見たことのないような、深く深く青い色の静かな海が見えた気がした。
『大丈夫・・・、もう少しで元気になるよ』
幼さの残る声が、不思議とマルコの心を溶かす。
“・・・”
まるで海に包まれるような安心感に、マルコはもう一度意識を手放した。