第2章 出会い
徐々に小さくなっていく島を沙羅は、じっと見つめていた。
見えなくなっても島のあった方向を見続ける沙羅に、みかねたマルコは声をかけた。
「そろそろ中に入らねーかい?」
「マルコ・・・」
振り返った沙羅の瞳には、微かに涙が滲む。
こんな時にかけるべき言葉を、マルコは知らない。
困ったマルコはただ黙って、ポンポン・・・と沙羅の頭を撫でた。
”もっと大人なら”いい言葉を知っているのかもしれない。
漠然と、マルコは自分がまだ子供であることに歯がゆさを感じた。
”早く大人になりてぇよい”
青年と少年の狭間のマルコは、ここから大きく成長を遂げていくのであった。