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スパイラル 〜螺旋の先〜【気象系BL】

第5章 TRAP


【潤side】

「そんなに、俺が憎い?」

その言葉に横っ面をひっぱたかれたような気がした。

憎い?
そんなわけない!
俺は、俺はずっとあんたのことだけが……。

哀しげな瞳でじっと見つめられて。
思わず本当の気持ちが溢れ出しそうになって、目を逸らした。

本当は、あんたのことだけが好きなんだって、そう言いたかった。
だけど、そんなこと今さら言ってどうなる?
あんたは相葉さんと付き合ってて。
リーダーとも、関係を持ってて。
そこに脅迫紛いのことして強引に割り込んだ俺が、そんなこと伝えたって。

勝負は、見えてる。

だったら、このままでいい。
あんたの身体だけで、それだけでいいから…。

ローションを使って後ろを解していくと、そこは直ぐに柔らかくなって。
俺の指を迎え入れるように蠢く。

今すぐにでも押し入りたいのをグッと我慢して、丁寧にそこを解した。

傷つけたく、なかった。
もう十分あんたのこと、傷つけちゃった、から。
せめて、このくらいは。

伝えられない気持ちの、かわりに……。

あんたの口から、段々と艶っぽい声が漏れ出てくるようになって。
さっきまで、必死に声を出すまいと堪えていたのに。
それがまるで、俺を受け入れてくれてる気がして。

胸の奥が、じんわりと熱くなった。

「潤…もう、いけるよ…」

快楽に蕩けそうな瞳でそう言ってくれて、愛しくて仕方なかった。
俺を受け入れてくれてる、それを確信することができた。

ゴムはあるかと聞くと、少し目を見開いて、チェストの中からひとつ取り出した。

さっきまでとは違う、柔らかい空気が俺たちを包んでいた。

両腿を抱えて、ゆっくりと最奥を目指す。

あんたの中は、うねるように俺のを包み込んで。
優しくて、温かくて。

翔くん、俺、あんたを愛してるんだ…。

何度もそう心の中で繰り返しながら、全てを彼の中に収めると。

「…おまえ、なんで…?」

驚愕に見開かれた彼の頬に、ぽとりと雫が落ちた。

それ以上、顔を見られたくなくて、唇を押し付ける。

今度は舌を絡めてくれて。
背中に腕を回してくれて。

嬉しくて……。

そのまま、彼の奥を何度も抉るように突き上げて。

全てを、最奥に注ぎ込んだ。

「翔くん……」

そのまま抱きしめると。

そっと、抱きしめ返してくれた。



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