第5章 TRAP
【翔side】
潤...おまえの、その意思の強そうな瞳に宿るのは、俺への憎悪?...それとも?
潤...本当のおまえは、そんな奴じゃないはず。そうだろう?
何がそこまで潤を突き動かしてるんだ?
俺が悲しそうな顔をして、ただ彼の顔を見てたから、潤は苛立ちを隠さずに立ち上がる。
「自分で解せっつってんだろう?」
そう吐き捨てた彼に、
「潤...そんなに俺が憎い?」と呟いた。すると、
「憎い?俺が?...翔くん、ホントにそう思ってんのかよ?...俺は...俺は翔くんが...」
孤独と哀しみが宿った潤の目に、俺は胸がつまった。
俺に見つめられ、心の奥底を覗かれるのを怖れたのか、潤は俺の脚を押し広げて
「自分で出来ないなら、俺がやってやるよ!ほら、アレ貸して」
「アレ?」首を傾げると、
「ローション!持ってんだろ?」
俺が視線をベッドチェストを向けると、潤はその中から透明の液体の入ったボトルを出してきた。
潤はそれを顔の横で振ってみせ、ニヤリと笑い、
「もう殆どないじゃん!誰とこんなに使ったの?リーダー?雅紀?....澄ました顔してさ、淫乱なんだね〜、翔さんって♪」
彼の言葉に、言い返す気にもならず、
俺は顔を背けて、目を閉じた。
「...つっ///」
冷たい液体を纏った彼の指が、ゆっくりと俺の中に入ってきた。
言葉とは裏腹に、
潤はゆっくり、少しずつソコを解していく。
まるで、愛しいものを慈しむみたいに....
そんなはず、ないのに.....
「..あ..んぁ..あ..潤..もう..いけるよ...」
そう言ってやると、『ゴム、ある?』って。
てっきりそのまま突っ込まれると思っていたから、俺は少し驚いた。
さっきまで、あんなに憎いものを見るような目で俺を見ていた潤が、
今はすごく切なそうに見えて、
俺は少し、胸が痛かった。
「....翔くん、いい?」
「...うん..いいよ...きて...」
知らず知らず、俺は潤を受け入れる気になっていたことが、自分でも不思議だった。
俺の両腿を抱えて、潤がゆっくりと入ってきた。でも、時間をかけて解されたソコは、僅かばかりの抵抗で、潤のことを飲み込んでいった。
智くんでも、雅紀でもない。
今俺を抱いているのは、紛れもない。
松本潤だった。