第4章 Sugar and Salt
【翔side】
雅紀がゆっくりと俺の心を溶かしてくれたように...俺も彼の緊張をゆっくりと解してやりたい。
『抱いてもいい?』
そう聞くと、雅紀は耳まで真っ赤にして、
「うん...お願いします...」って...
全くさ...
ホントにこの人、可愛い...
俺の中にある庇護欲が大きく膨らんで、雅紀を包み込もうとしてる。
彼を守りたい...
大切にしたい...
「あの...翔ちゃん...俺、お風呂入りたい...」
赤くなりながら目を伏せてそう言うから、
「俺が洗ってやろうか~?」
って。顔を覗き込むと、弾かれたように立ち上がって、
「いや、いいから...ちょっとシャワー借りるよ!!」
雅紀は、慌てて転がるように行ってしまった。
「ふふっ、ホントあいつ、マジでウケる...」
自然と笑みが零れた俺は、テーブルの上を簡単に片づけ、食器は食洗器にツッコんで、
寝室に、雅紀の着替えを出しに行った。
......クローゼットにある、智くんのブルーのバスローブ...
暫くそれを見つめていたけど、
別のバスローブと下着を用意して、その青を封じ込めるように、扉を閉めた。
「雅紀~...着替え、ここ置いとくよ~」
脱衣所から声を掛けと、
「え..ああ..うん..ありがと」
...どんだけテンパってんだよ、あいつ...
俺は笑いながらリビングに戻った。
程なくして、頭をガシガシ拭きながら雅紀が出てきた。
「じゃあ、俺も入ってくるわ~...待っててね❤」
そう言いながら、彼の股間をするっと撫でると、
雅紀は『あっ』と小さく言って、身悶えるように身体を折った。
......おもろ、こいつ...
何だか久々に感じるワクワク感に、自分でも笑いながら、シャワーを済ませた。
雅紀が待ってるリビングに戻ると、深夜番組を正座しながら観ていて...
思わず笑っちゃうと、
「あっ、翔ちゃん、お帰り~。早かったね♪」
その不自然なほどの『通常感』を演出してる彼に、俺は本気で笑い出した。
「何??なんで?どうして?何がおかしいの??」
慌てたように立ち上がった雅紀の手を握って、
リモコンでテレビを消した俺は、
「行こうか...」
と雅紀を見つめた。
ゴクリッ...と、雅紀の喉が鳴った。