第4章 Sugar and Salt
【翔side】
何だかイライラする。
今まで見たことのないレベルでニノが明るい。
それまでは、どちらかと言えば楽屋ではずっとゲームをしてる感じだったのに。
この頃は、ほら...
新しくゲットしたゲームのアイテムを智くんに自慢気に見せてるし...
智くんも智くんだよ!!
そんなのに興味ないでしょ~?
そんなデレデレした顔してさ///
.....あの二人は、もう...
俺は見てらんなくてトイレに逃げようとした。すると、
「翔ちゃん...!」
イラつく俺に相葉くんが声を掛けてきた。
そして、家に行ってもいいか、と聞いてきた。
そうだよな...
今まで、なんだかんだ理由つけて、
まあ実際に忙しかったのもあるんだけどさ。
俺はずっと相葉くんの誘い、断り続けていた。
......もう、限界だよな?
相葉くんの気持ちと、ちゃんと向き合うって、そう決めてOKしたくせに。
今のままじゃ、彼に悪いな...
「いいよ、おいでよ...」
俺がそう言うと、相葉くんはパッと顔を輝かせて、
「ほんと??いいの?俺、鍋作るよ~♪
帰りに買い物してくし。あっ!!家に宮崎産の地鶏があるから、持ってくよ!!」
「うん...ありがと。楽しみだな~鍋...」
雅紀の喜びようを見たら、もっと早くこうしてやれば良かった、と少し後悔した。
楽屋に戻ると、ニノと智くんは相変わらずだったけど、俺の隣に雅紀が座ってあれこれ話し始めたから、さっきよりは二人のこと、気にならなくなった。
智くんのことは、もう一回諦めて、自分の中で決着をつけた筈だった...
二人がどうなろうが、俺にとやかく言う資格なんかないのに...
なのに...
胸の中に飼ってる小鳥が、ざわざわと騒ぐんだ。
君が、当たり前の顔して月曜日に待ってるから...
...一体どうしたいの?
どんなつもりで俺に抱かれるの?
俺を抱くの?
聞きたいって思うけど...
どうしても聞くことが出来ない...
収録終わり、雅紀は一旦家に帰ってから来るっていうので、俺は先にマンションに戻った。
智くんのものはバスローブと歯ブラシ位だから、
取りあえず歯ブラシだけは、片付けてみた。
俺...もしかして今日、雅紀を...?
そこへ、来客を告げるインターフォンが鳴った。