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スパイラル 〜螺旋の先〜【気象系BL】

第4章 Sugar and Salt


【雅紀side】

リーダーと、ニノの関係が変わった。

そりゃあもう、ニブイ俺でもはっきりわかるほどに。

付き合うことになったって聞いてからも、5人の現場ではいつも通りの二人で。

ほんとに付き合ってんの?

何回も、ニノに聞いちゃった。

その度に、不満そうな顔しながら、

「相葉さんは顔に出しすぎだから!もうちょっと気を遣ってくださいよ!」

って、言ってたんだけど……。

「大野さん、大野さん!見てこれ!このアイテム、激レアなの!」

嬉しそうに、ニノがDSをリーダーに見せて。
リーダーが、その画面を覗き込む。

その、距離感。

それこそ、ほっぺた同士がくっつきそうなくらいの近さで。

二人で視線を合わせて、楽しそうに微笑みあって。
そのままキスしちゃってもおかしくないくらい、甘ったるい、恋人特有の雰囲気。

あ、一線越えたんだなって、すぐにわかった。

ニノも、ちょっと見たことないくらいの浮かれようだけど。
それよりもっと意外なのはリーダーの方。

いつも感情の起伏なんてほとんどわかんない人が、ずーっとふにゃふにゃ笑ってて。

誰が見ても幸せなんだって、すぐわかるほどで。

「…なんだ?この楽屋」

松潤が呆れたようにため息をついた。

そんな二人を見ながら、俺はものすごく焦ってた。

付き合い出した時期はほとんど同じなのに、俺と翔ちゃんは軽いキスを2回しただけ。

だって、翔ちゃんがなかなかその先に進んでくれなくて。
俺は、もうとっくに覚悟はできてんのに…。

翔ちゃんは、俺と進む気がないの?
本当は俺のこと、どう思ってるの?

何気なく翔ちゃんに視線を移したら、新聞を読む振りしながら、ものすごく怖い顔して、リーダーとニノのことを見てた。

なに?
なんか、怒ってんのかな?
楽屋の雰囲気、ピンク色にしちゃってるから…?

なんて思いながらじっと見つめてたら、ハッと気づいたように視線を逸らして。

一瞬、苦しそうに顔を歪めて。

「ちょっと、トイレ…」

俯きがちに、楽屋を出ていく。

俺は、反射的にその背中を追いかけた。

「翔ちゃん…!」

トイレの前に立ち竦んでるその背中に声をかける。

ゆっくり振り向いた彼に、朝から言おうと決めていた台詞を、投げ掛けた。

「今日、家に行ってもいい?」



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