第2章 Rigth Back To You
【和也side】
「翔さんと、付き合ってるの?」
真っ直ぐに、目を反らさずに伝える。
「翔くん..?翔くんとは...
....翔くんとは....つき合ってはないよ..」
俯いて、唇を噛んでさ...
あなたはそんな悲しそうな顔して...
翔さんが好きなの?
そんな顔するほど....
でも、俺だって!
...俺だって負けないよ。
大野さん、あなたのこと、ずっと好きだった...
こっからはさ、
下手な小細工は通用しない...
こう見えてこの人、
人のこと、ちゃんと見てる。
口先だけの綺麗事やその場凌ぎは、
この真っ直ぐな男の前では、
なんの効果もない。
だから、
気持ちを....
想いをストレートに届けたい...
「大野さん、あなたが好きだ..」
「ニノ....」
「ずっと、ずうーっと、あなたが好きだった。」
「.......」
俺は一回大きく息を吸い込んだ。
初めて、本当の自分を、この人に見せる。
誰にも見せたことなんかない、
正直な気持ちに向き合う...
「何度だって言うよ。好きだ。
二宮和也は、大野智が大好きです。
たとえあなたが.....他の人...
...翔さんのこと好きでも、この気持ちに嘘をつきたくないから。
あなたを好きな気持ちは、誰にも負けないから。
好きなんだ...こんな気持ち...初めてで...」
「.......ニノ....」
気が付いたら、泣いてた。
こんなことしたの、生まれて初めてだった。
大野さんは真っ直ぐに俺の顔を見てる。
困惑してる、っていうよりは、
俺を見ながら、どっか、遠いところを見ているような...そんな目をしてる。
俺の精一杯。
初めてこの人にぶつけた。
今まで、いつも守ってきた。
傷付かないように。
傷付く前に、しっかり予防線張って、
大丈夫なように...
相葉くんにあんな小細工するように仕向けといて、俺は直球ってさ....
なんかダサいけど...
たまには、
こういうのも、いいんじゃない?
流れる涙を右腕でぐっと拭って、
俺は、大野さんを見つめた。