第2章 Rigth Back To You
【和也side】
楽屋に入ってくと奥のテーブルで翔さんが新聞を広げてた。
俺は出来るだけ明るく声を掛けた。
「おはよ〜♪翔さん。この間、さっさと帰っちゃってごめんね〜」
「おはよ。...ニノ..」
俺の顔を見て、何か言いたそうな翔さん。
俺だって気になってたさ//
相葉さんが上手く踊れたのかどうか...
「で、相葉くんは、何の相談だった..」
「おはよ〜...」
間が悪く、御本人登場で、俺たちは口を詰むんだ。
仕方ないから、俺も自分の定位置に座って、DSを起動させた。
そこへ大野さんと潤くんが来て、楽屋はいつもの風景になった。
そう....視覚的にはね?
でも、雰囲気が全く違う。
二人が重苦しい空気を作ってる....
どうなったんだろう?あの後。
相葉さんのことだから、上手くいったら速攻で報告してくるだろうし、
逆だったとしても、泣きついて来そうだし...
そのどちらもなかった、と云うことは...
翔さん、返事を保留にした?
...なら。
俺はどう動く。
相葉雅紀っていう駒を送り出した、その後は...
収録が終わって楽屋に戻ってきた俺たち...
翔さんより先にあの人を捕まえなきゃ///
「大野さん..この後ちょっといいかな〜?」
「えっ?..ああ...何?」
「松兄に預かったものがあってさ、家にあるから寄ってって欲しいんだ」
他の3人が俺たちふたりのやり取りを、
固唾を飲んで見守ってる。
「あっ、そう..分かった..」
よし!第一関門はクリアーだ。
翔さんがすげー見てる。
その視線を背中に感じながら、大野さんに肩を組んでいった。
ご飯行こうとか言うとさ、大野さん平気で断るからね?申し訳ないけど、先輩の名前、借りちゃった。
預かったものなんかないけどね、
まあ、その辺は何とでもなるでしょう。
相葉くんが頑張ってくれたんだから、
今度は俺が...
一足お先に楽屋を出るとき、
荷物をまとめる翔さんの背中を見た。
ごめんね、翔さん...
大野さんだけは、渡せないよ。
好きならさっさと奪っちゃえばよかったのに。
俺は今日、
大野さんに気持ちを伝える。
今まで俺、狙った獲物、
逃したこと、ないから....