第15章 One Step
【翔side】
酔っぱらってた智くんは、なんか遣らかした感を感じたのか、ちょっとしゅんとしてる。
それがまた、ちょっと可愛いから困る...
「ほら行くよ、智くん...」
腕を掴んで立たせると、よろけた振りしてしがみついてきたから、
「智くん!」って睨むと、舌を出した。
そんな智くんをタクシーに押し込んで、
俺たちはマンションに帰ってきた。
足元もおぼつかない智くんを抱えるようにして、玄関に入ってカギを掛けた。
で。
「智くん...もうそんなに酔ってないよね?」
と言うと、バレてたの?っていう上目遣いで俺を見上げた。
その表情に、俺は衝動的に口づけた。
智くんは待ってましたとばかりに、俺の背中に腕を回して、身体を摺り寄せて来た。
俺はその首を引き寄せて、もっと深く口づけながら、シャツのボタンを弾いた。
「えっ?...翔..くん?」
不安そうに俺を見る智くんに、
「もう!!智くんが悪いよ///俺をどんだけ煽ったと思ってんの~?」
そう言い終わるころには、もう彼は上半身を晒してて...俺から逃げようとするけど、捕まえてズボンを脱がしにかかった。
「ちょっ、翔くん!待って///」
「待てない///」
「じゃあ、シャワーさせて...」
「しなくていい...」
「じゃあ、えっと...洗ってあげるから!」
「......ほんとに?」
「うん...」
と言う訳で。
道々服を脱ぎ捨てながら、湯船に浸かっている俺たち...
我に返ると、何やってんだか?
ってなって...どちらからともなく笑い始めて、
仕舞には涙を流して大笑いした。
中学生カップルでもないし、
付き合って間もない訳でもない。
いい年した落ち着いた大人のやることでもないか...
しばし身体を温めてから、
「さて?洗ってくれるんだよね?」
って言うと、智くんは、エロい顔して頷いた。
からの...
前から俺の頭を洗い始める彼...
するとちょうど俺の目の前辺りにさ。
揺れる訳...『さとしくん』が...
分かってんのか?分かんないのか?
...もしかして、わざとか~??
俺は人差し指の先で、その先端をピンッと弾いた。
「いやぁん❤」
予想を超える可愛らしい反応に気を良くした俺は、
「智くんはそのまま俺の頭洗っててね♪止めちゃだめだよ!」
と言った。