第15章 One Step
【智side】
すぐに触ってくれると思ったのに。
俺が頭をゴシゴシ洗ってる間、翔くんは揺れる俺のおれをじっと見てるだけで。
「お?おっきくなってきたよ〜。見られて興奮してんの〜?」
実況中継までしてくれちゃってさ…
知ってるつーの!
「ねぇ…触ってよ…」
できる限りの甘えた声を出してみたら、上目遣いに俺を見上げてきて。
少しだけ口を開いてみせた。
その隙を逃さず、俺はもうすっかり勃ちあがったおれをその咥内に捩じ込んだ。
すぐに、翔くんの舌が絡まってくる。
俺は、すぐにでも激しく扱いて欲しくて、翔くんの頭を両手で抱え込んだけど。
翔くんは数回口で扱いただけで、おれを口から出してしまった。
「あんっ…なんで…?」
抗議の眼差しを送ったけど、翔くんは楽しそうに笑うだけで。
「まだ、ダメ。だって俺を洗ってくれるんでしょ?」
そう言って、シャンプーを流すように促した。
仕方なく、翔くんの頭をシャワーで流してやる。
流し終わると、翔くんはボディソープを手にとって、俺の身体に塗りつけ始めた。
「あれ?翔くんが洗ってくれんの?」
聞いても、返事はしてくれなくて。
俺が全身泡だらけになると、漸くにっこりと笑った。
「じゃあ、智くんがスポンジになって、俺を洗ってね?」
そこで初めて、翔くんの考えてることがわかった。
「マジか…」
「ほら、早く」
躊躇する俺を、両手を広げて待ってる。
俺はおずおずと椅子に座ってる翔くんの膝に股がって背中に腕を回すと、その筋肉質な上半身に泡だらけの自分の身体をピタリとくっつけた。
そのままゆっくりと身体を上下に動かしてみる。
ぬるぬるの泡の感触と、触れ合った温かい肌が気持ちいい。
「んっ…ああっ…」
翔くんの腹と俺の腹に挟まれたおれが、密着した肌に擦り上げられる。
あまりの気持ちよさに、夢中で身体を上下に動かした。
「んっ…ん、あ、あっ…」
酒が入ってるせいか、あっという間に頂点がやってきて。
「あっ…もう、出ちゃうよ…」
「早くない…?ほんと、エロい身体」
楽しげに笑いながら、翔くんの舌が耳の中に入ってくる。
「んんっ…それ、ダメ…」
ぞわぞわが一気に奥底から押し寄せてきて。
「ん、んんんっ…ああっ…!」
翔くんの指が、後ろに入ってきた瞬間、俺は呆気なく吐き出してしまった。