第2章 Rigth Back To You
【翔side】
...えっ?...今、何て言った?
驚いて目の前の相葉くんの顔を見ると、
泣きそうな目...でも真っ直ぐに俺のことを見つめていて。
今度はさっきよりも落ち着いた口調で繰り返した。
「俺は、翔ちゃんのことが好きです」
「..相葉くん...」
ふう〜、っとひとつ大きく深呼吸をして、相葉くんは言葉を選ぶように続けた。
「ずっと前から、翔ちゃんのことだけ見てた。
でも、俺も翔ちゃんも、男だし...メンバーだし、その気持ちは墓場まで持っていこうって、そう思ってたんだ。
だけど、もう、気持ち隠しとくなんて出来なくって...ニノにも、気づかれちゃって..」
「ニノ..?」
「あっ、いや、それはいいんだ。
どうしても、気持ち伝えなきゃ、もう、何て言うか..苦しくって...
しつこいけど、もう一回言うよ。
翔ちゃん、好きです!大好きです!」
彼の本気が、びしばし伝わってくる。
涙いっぱい溜めてさ...
そんな気持ちで、いてくれたなんて..
素直に嬉しいよ。
でも、俺は...
悪いけど...
何て言ったらいいのか、彼を、傷つけない言葉って、何だろう?
でも、次の相葉くんの言葉は、俺を凍りつかせた。
「もしダメだったら...俺もう、嵐じゃいられないよね...ふられて、その後も一緒にいるなんて、辛すぎるもん..」
....そんな...嵐じゃいられない、って...
辞めるってこと??
...どうして?
なんで、そんなこと...
それだけ彼は追い詰められてるって、
そういうことなの?
でも、俺.....
「....ごめんね、翔ちゃん...こんなこと言って...でも、俺、どうしても...翔ちゃんのこと、好きで..」
俯く相葉くんは、肩を振るわせて泣いてる。
そんな彼を、突き放すなんて、
俺に出来るの?
「泣かないで。相葉くんの気持ちは、嬉しいよ?」
「翔ちゃん!!」
「あっ、でもさ、返事、待ってもらってもいい?」
「もっ、もちろんだよ!」
そう笑う、相葉くんの顔が胸に刺さる。
彼のことは、嫌いじゃない。
寧ろ逆だろう..
...受け入れてやれば、いいじゃないか..
だけど。
俺は何を悩んでる?
『..智くん...君は今、誰といるの?』
『智くん...俺は..』