第14章 イチオクノホシ
【翔side】
昼間はまったりしたい、という智くんの希望で、朝食の後、プライベートビーチに出た。
ワイキキと違って、人も少なく、開放的な雰囲気になれる。
ビーチにあるパラソルの下、俺は智くんと仲良く並んでベッドに寝ころんだ。
砂浜が真っ白で、海と空は真っ青で。
海と空の境目に、雲が白いラインを引いていた。
「はあ~...気持ちいいね~♪」
「......」←同意がない
なんだ~...もう寝てるよ...
昨日は分刻みのスケジュール過ぎたかな?
ほんの少し反省しながら、そっと彼の前髪を指ですいた。
それでも智くんは起きない。
綺麗な寝顔...だな。
しばらくの間、見惚れていた俺は、いつも間にか眠ってしまったらしく、気が付いたら、顔の前にアップの智くんんがいた...
「あ...俺、寝ちゃったんだ...」
「もう~、直ぐ寝ちゃうんだから~..」
って、少し膨れてる...
全く...先に寝てたのはあなたでしょ?
そう言おうかと思ったけど、止めた..
その代わりに腕を引き寄せて唇を重ねた。
「ちょっ///翔くん...誰かに見られたらどうすんのさ~...」
相変わらず膨れてる...
ホントに、可愛くって、今すぐ抱き締めたい。
まあ、流石にここじゃ、無理だからあきらめるしかないけど...
と思ったら、ふんわりと智くんが俺に覆いかぶさってきた。
「ちょっと///ダメだってば~..」
慌てたけど、そのままにしておいたら、
「だってさ!翔くんが可愛すぎて、抱き締めたくなちゃったんだもん!」って...
....ダメだ...顔がにやける..
実際には、周りのカップルも眠っていたり、キスをしていたり、イチャイチャしてるから、
俺たちが何してようが、気に留めるものもいなかった。
青い空をバックに、俺のことを上から見つめる智くんが、あんまりカッコよくて...
もう何だか胸がぎゅうっと苦しくなって...
俺はそっと瞼を下ろした。
もちろん、キスを強請るために...
智くんは、少し笑った気配の後、ゆっくりと顔を近づけてきてキスをくれた。
その後海に入ったり、ビーチを散策したり、ベタなハワイの休日を楽しんだ。
「翔く~ん!俺もう、ずっとここに居たいよ!日本に帰りたくない...」
「俺だって!」
俺はもう一度お返しのキスをした。