第2章 Rigth Back To You
【和也side】
そうだとは思ってたけど、
予想以上だったよ、相葉くん...
分かってはいたけど、
こんなに急に、
こんなやる気になってくれるなんて。
大体さ、大野さんに相談されといて、
何で自分とこきたんだ?って、
疑問に思わないんだから、流石だよね〜
今日はテレビ誌の取材で翔さんと一緒。
ファンが好きそうなスキンシップたっぷりのポーズも、難なくこなし、息ピッタリで進んでいく現場。
空き時間も、先日の歌番組の話で盛り上がったり、和気あいあいとした雰囲気はいつも通り。
その流れで、
「そうそう、翔さん、この後予定ある〜?」
「この後ねぇ〜..何で?」
飯でも行こうか、って振ってこないとこ見ると、ナニかしらありそうな感じ。
俺は、透かさず、
「実は、相葉さんと約束してるんだけどさ、あの人、何だか悩んでるみたいで...翔さんも聞いてやってくんない?」
こう言えば、大抵は断りやしない、はず。
「相葉くんが〜..?何だろ?....でもさ、
俺も行って、いいやつなの?」
よし!乗ってきた!
後ひと押し。
「もちろんだよ!俺より、翔さんの話の方が、あいつには効くから!」
「うん..そうか....分かった..行くよ」
「ありがと。相葉さん喜ぶよ〜」
俺は、合間に翔さんと例の居酒屋に行くから、と、相葉さんにLINEした。
なんか分かんないけど、汗が吹き出したおじさんのスタンプが帰ってきた。
『頼むぞ〜//上手くやってくれよ♪』
そう心の中で祈りながら、携帯を鞄にしまった。
取材の方も順調に進み、少し巻いて終わった。
「じゃ、行きますか?」
「おう!相葉くんは?」
「同じくらいに来るみたいなんで、丁度いい感じかな?」
マネに送ってもらって目黒の居酒屋に着くと、顔見知りの店員が、
「お仲間、来てますよ♪」と教えてくれた。
通された部屋に行くと、明らかに緊張した相葉さんが座ってた。
....おいおい、そんなんで、大丈夫かよ〜?
「おー!お疲れ〜、相葉くん。急に混ざってごめんね〜?」
翔さんはそう言いながら、彼の前に座った。
「うんん..ごめんなんて、全然♪...嬉しいよ〜翔ちゃんが来てくれてさぁ...」
俺は翔さんの隣に座りながら、相葉さんに、
『落ち着いて!』
と口パクで言った。