第14章 イチオクノホシ
【智side】
「ん、あっ…ん、ん…あぁ…」
俺の下で揺れる翔くんの、可愛い声が鼓膜を震わせる。
「翔くん…気持ちいい?」
聞くと、何度も頷いて。
「…気持ちいい…もっとして…」
薄く開いた瞳の奥に揺れる紅い焔に、一瞬で身体が熱くなった。
もうさ〜!!
さっきは男らしい顔して、俺をアンアン言わせてたくせにさ〜。
なんで、そっちになった途端、そんな可愛くなるのかな!?
ほんと、食べちゃいたいんだけど!!
思わず、鎖骨の辺りに噛み付いた。
「痛っ…なにすんの…!」
「だって、食べちゃいたいんだもん。翔くんの全部、俺のもんにしたい。どうしたら翔くんの全部、俺のもんに出来るかなって…」
「智くん…」
「どんなに痕つけといたって、誰かに盗られちゃいそうで…だからさ…」
「ばか…」
翔くんが微笑んで、俺の頬を軽く叩いた。
「俺の全部、とっくに智くんのものだよ?細胞の一個一個まで。他の奴になんて、やらないよ」
「…うん…」
「智くんは?俺のものになってくれる?」
「あったりまえじゃん!俺だって、頭の天辺から足の先までぜ〜んぶ翔くんのもんだから!」
「じゃあ…証拠、ちょうだい?」
「証拠?」
「智くんの愛の証…俺の奥にちょうだいよ…」
言って恥ずかしくなったのか、頬を赤らめながら目を逸らして…。
くあああああっ!!
なんだこの可愛い生き物はっ!!
もう、ダメ!
我慢ならん!!
「あんっ…智くん、はげしっ…!」
俺は渾身の力で、翔くんの奥を突きまくった。
「あっ…んあっ…智くん…も、無理…!」
「んんっ…翔くん、一緒、イこ?」
「んっ…んんっ…あ、あ、あっ…出ちゃうっ…!」
「あっ…翔くん…俺も、イク…っ…!」
俺たちは同時に頂点を極めて。
そのまま抱き合って、眠りについた。
「…っと、ちょっと起きてってば!」
激しく揺らされて、びっくりして飛び起きた俺はベッドから転げ落ちた。
「痛って…なんだよぉ…」
強かに頭を打ってしまって、それを擦りながら身体を起こすと、ベッドの上から翔くんが心配そうな顔して見てる。
「ごめん、大丈夫?」
「ん…大丈夫…。で、なに?」
「え?あ、そうそう!早く朝メシ食べに行くよ!今日は予定が一杯だからね!ホエールウォッチングと〜それから…」
うわ〜……
なんか、振り回されそう……………