第14章 イチオクノホシ

【翔side】

智くん...俺だって我慢してるんだよね～

なのに、こんなところで、キスを強請る。
どこで誰が見てるとも限らないのに。

突き出された唇に、思わずゴクリと喉が鳴った。

......しょうがないなあ～...ちょっとだけ、だぞ？


盗むように触れるだけで、直ぐ離れようと思ったのに。もちろん智くんはそんなお座なりは許さない。


降り注ぐ眩しい日差し..
眩しい君..

入り込んでくる熱い舌..

あ―――ん！も―――///
知らないぞ、どうなっても！

俺は、彼の首を引き寄せてそのまま咥内に舌を捻じ込んでやった。

「...んん..んっ..」

俺の背中に回した手に力を込めて智くんは応える。
激しく舌を絡めながら、さっとＴシャツの中に手を入れて、胸の先を摘まんで捩じった。

「やっ...」

咄嗟に逃げようとするその身体を更に抱き留め、下半身を押し付けてやった。


...仕掛けたのはそっちだからな...
覚悟ができてるってことだよな？


唇を離し、露になった首筋に舌を這わした。
身悶えするその身体からＴシャツを剥ぎ取ると、筋肉質の綺麗な上半身が現れた。

「ちょっ、翔くんってば...」

俺を見る目は、もう艶めいて揺れていた。

「どうすんの？このままヤんの？やめるの？」

「えっ...？」

「智くんが決めていいよ..」

そう言いながら、俺の指は相変わらず彼の胸の尖りをさわさわと撫でている。


...意地悪！とか、知らない！とか、
そんなとこらだろうと思ってると、

唾液で光るその唇は、

「...欲しい...翔くんが、欲しいよ...」

と素直に応えた。
もちろん異議を唱えるつもりもなく、俺たちは服を脱ぎ捨てて、ベッドルームに縺れながら入り込み、シーツの海に沈んだ。



....日本を離れた異国の地。

裸で抱き合う俺たちは、何だか余裕がなくて、貪るようにお互いを求めあった。


この後、一個予定があったんだけど、もういっか..

「...ああ..翔くん..気持ちいい...」

「...智くん..愛してるよ..智くんだけだよ..」


そう囁くと、俺の目を覗き込んで、柔らかい笑みをくれた智くんは、俺の胸を指さして、

「俺のしるし、つけといた♥」

と笑った。


大きなベッドの真ん中。
俺は、細い肩をもう一度抱き締めた。