第13章 キミの夢を見ていた
【翔side】
最初っから飛ばし過ぎでしょ?
って言いたいとことだけどさ...嫌いじゃないでしょって?
嫌いじゃないよ、もちろん。
今夜の智くんは、ドキドキするくらいに雄の顔して、俺を攻めて来る。
綺麗だよ...なんて囁かれて、身体の芯が熱くなる。
見つめるその目さ。
ちょっと意地悪で、俺の心の奥までも見透かすような...その目におかしくなりそうだよ。
「あぁ...智くん...ベッドで抱いて」
彼の首を抱き寄せて、耳元で囁いてやると、わざと俺に硬くなった中心を押し当ててきた。
生まれたままの姿でベッドの上。俺に跨り、見下ろしている雄の智くん。その顔を見ただけで、俺の身体は泡立つ。
今からこの人に抱かれるんだって思っただけで、涙が出そうになる...早く、欲しい...
ところが、智くんが目を細めて言った。
「ねえ、相葉ちゃんとスルとき、どっちが上だったの?松潤の時は?...ねえ、教えてよ...」
思いがけないその質問に、俺は戸惑い、
「なんで...?そんなこと..」
「気になるんだよ...翔くんが、どんな風にあいつらと寝てたのか?」
「...智くん..」
一瞬歪んだ彼の横顔に、俺は抗議する言葉を飲み込んだ。
「いつもさ、翔くんが他の奴に腰を抱かれて部屋を出てくのが、堪らなかった...嫉妬で...気が狂いそうだった」
「だって、自分も...」
「そうだよ!自分のこと棚に上げてだよ!!分かってる...俺が言える立場じゃないって...
でも。
それでも、嫌だった...松潤に抱かれてる翔くんを想像して、相葉くんを抱き寄せる翔くんを想像して、
息ができなくなりそうに、悔しかったんだ...」
「...智くん..」
言ってる言葉とは裏腹に、優しく...慈しむようにそっと口づけてから、
「こんなこと言いたくなかったけどさ...俺の気持ち、全部知ってて欲しいから...
ホントは我儘で、独占欲の塊で、翔くんが他の奴に触るのも嫌で...
こんな気持ちは、初めてだった...離れてから、気づいたんだよ...こんなに愛してたこと...」
.....智くんの目から涙が溢れた。
「智くん...壊れるくらいに抱き締めて..」
そう両腕を突き出す俺も泣いてて。
智くんは、強く、隙間を埋めるように、俺のことを抱き締めてくれた。