第13章 キミの夢を見ていた
【和也side】
......今度じゃなかったのかよ...
収録終わり、結局俺たち振られ組3人で、
松潤行きつけの、オシャレ居酒屋に来てしまった。
「最初は生でいい~?」
...張り切ってんじゃないよ、全く///
俺は、なんだか楽しそうに注文を決める相葉さんに呆れていた。
こんな傷の舐め合いのような飲み会、ヤダって言ったのに。松潤が誘いに乗ったのがもう不思議で仕方ないよ。
「ニノは何か食べたいものある~?」
松潤が、3人の中では一番好き嫌いの多い俺を気遣ってくれる。
「焼き鳥、行く~?後はシーザーサラダ...」
「ニノちゃん流石!...俺もシーザーサラダの気分だったんだよね〜♪あとはタコのから揚げと、エイひれ?もろきゅうもね!...厚焼き玉子!」
「じゃ、乾杯する?」
ビールが来たから乾杯しようという松潤に、
「何に乾杯すんのよ~?」
「じゃあさ、俺たちの新しい恋に...」
「いいね~!絶対いい人見つけて、翔ちゃんに自慢しなきゃ!俺」
...どうでもいいけど、二人ともすげえ前向きだな...俺はまだ、吹っ切れてないのに。
「よし、じゃ、俺たちの輝かしい未来を祈って..」
「「かんぱ~い!!」」
「...乾杯..」
料理も取りあえず揃って、ビールのお変わりが運ばれて来た頃。相葉くんがぽつりと言った。
「二人...幸せそうだったね..」
「誰が?」
「いや...いいや..」
「リーダーと翔くん?」
「分かってるなら聞くなよ..」
松潤と相葉さんの話を俺は黙って聞いていた。
「もう、翔ちゃん俺のものじゃないんだよね~」
「あのさ、元々あなたのじゃないでしょ?」
「松潤のでもないけどね!」
...なんだよ、そのくだらない言い合い///
「結局さ...俺たちがどんなに頑張っても、あの二人の心には届かなかったって、そういうことじゃね?」
そう言うと、急にしょんぼりして無言になった。
「でも俺さ、やっぱ翔ちゃん大好きだから...これからは、応援してくよ...あの二人のこと」
「応援しなくたって、あの人たち、上手くやってくでしょ?多分..」
「なんだか、長い夢を見てた気分だよ...」
俺の言葉に、相葉さんは泣きそうな顔をして、
松潤は淋しそうな遠い目をした。
俺は、ぎゅっと拳を握った。